日本の夏山シーズンは、山開きとともに始まります。山開きとは、冬の間閉鎖されていた登山道が正式に開放される行事のことです。山開きの日程を把握しておくことは、安全に計画を立てるうえで欠かせません。
毎年、富士山をはじめとする日本各地の名山では、山開きの日程に合わせて多くの登山者が訪れます。ただし、山ごとに開山日は異なり、天候や積雪状況によっては変更されることもあります。この記事では、2026年の主要な山の山開き情報と、シーズン前に準備しておくべきことをわかりやすく紹介します。
山開きとは何か?
山開きは、登山シーズンの始まりを告げる伝統行事です。安全祈願の神事が行われる山も多く、山小屋や救助隊の受け入れ体制が整ったことを登山者に知らせる意味も持ちます。
山開き前の登山道は、残雪や整備不足などの理由から危険を伴う場合があります。公式に開山されてから入山することが、安全な登山の基本です。

2026年の主要な山開き日程
以下の日程は例年の実績をもとにしたものです。正式な日程は各山の管理団体や自治体の公式発表をご確認ください。
富士山(静岡県・山梨県)
富士山の山開きは例年7月上旬に行われます。
- 吉田ルート(山梨側):7月1日ごろ
- 富士宮・須走・御殿場ルート(静岡側):7月10日ごろ
2025年以降、富士山では混雑対策として入山規制や通行料の導入が進められています。2026年も同様の措置が継続される可能性が高いため、事前に山梨県・静岡県の公式サイトで最新情報を確認することを強くおすすめします。
北アルプス(長野県・富山県・岐阜県)
北アルプスは山域が広く、山ごとに山開きの時期が異なります。
- 槍ヶ岳・穂高岳周辺:7月上旬〜中旬
- 立山(雷鳥沢エリア):4月下旬(アルペンルート開通とともに)
- 白馬岳:7月上旬ごろ
残雪が多い年は、例年より遅く開山する場合があります。
南アルプス(長野県・山梨県・静岡県)
- 北岳・仙丈ケ岳(芦安・広河原方面):6月下旬〜7月上旬
- 甲斐駒ヶ岳:7月上旬ごろ
南アルプスへのアクセスはマイカー規制が設けられている区間があります。シャトルバスの運行情報も合わせて確認しましょう。
八ヶ岳(長野県・山梨県)
- 赤岳・硫黄岳エリア:通年アクセス可能な山小屋もありますが、夏山シーズンの本格的な整備は6月ごろから始まります。
尾瀬(群馬県・福島県)
- 尾瀬の山開き:例年5月下旬〜6月上旬。ニッコウキスゲが咲く夏が最盛期です。
大山(鳥取県)
- 大山夏山開き:例年6月第1週末に行われることが多く、登山者向けのイベントも開催されます。
開聞岳・霧島連山(鹿児島県)
九州南部の山々は比較的早い時期から登山が可能ですが、火山活動の状況によって入山規制が変わることがあります。気象庁の火山情報を必ず確認してください。

山開きの日程が変わることがある理由
山開きの日程は、以下の理由によって変更されることがあります。
- 残雪・積雪の状況:例年より雪が多い場合、開山が1〜2週間遅れることがあります。
- 登山道の整備状況:冬の間に崩落や倒木が発生した場合、補修完了まで入山を制限する場合があります。
- 気象条件:開山日直前の悪天候で神事や行事が延期されることがあります。
- 火山活動:活火山周辺では、噴火警戒レベルに応じて入山規制が随時変更されます。
計画を立てる際は、余裕を持ったスケジュールで確認することが重要です。
山開き前に準備しておくべきこと
登山届を提出する
登山届(登山計画書)の提出は、多くの山で義務または推奨されています。遭難時の捜索活動に役立つため、必ず提出してください。オンラインでの提出が可能な「コンパス(山と溪谷社)」などのサービスも利用できます。
山小屋の予約
人気の山では、山小屋が山開きと同時に予約で埋まることがあります。特に富士山や北アルプスの主要ルートは、6月中に予約を済ませることを推奨します。
装備の確認
- 防寒具(標高が高い山では夏でも気温が0℃近くまで下がることがあります)
- レインウェア(上下セパレートタイプ)
- 地図とコンパス(GPS機器も有効)
- 十分な食料と水
- 救急セット
- ヘッドライト(予備電池付き)
体力づくり
山開き直後のシーズン初期は、体がまだ登山に慣れていない状態であることが多いです。事前に近郊の低山でウォームアップしておくと、高山でのパフォーマンスが向上します。

2026年登山シーズンのトレンドと注意点
混雑対策の強化
富士山を筆頭に、日本各地の人気登山道でオーバーツーリズムへの対策が進んでいます。入山者数の制限、通行料の導入、特定時間帯の閉鎖措置などが2026年シーズンも継続・拡大される見込みです。
環境保全への意識
「Leave No Trace(痕跡を残さない)」の考え方が日本の登山文化にも浸透しつつあります。ゴミの持ち帰りはもちろん、植生への影響を最小限にするルートの選択も求められています。
山のトイレ問題
携帯トイレの持参と、携帯トイレブースの利用が推奨されている山が増えています。事前に対象の山のルールを確認しておきましょう。
安全に夏山を楽しむために
山開きは、単なるシーズンの始まりを告げる行事ではありません。登山者が安全に山と向き合うための、大切な節目です。
計画は早めに立て、最新情報を確認し、自分の体力と技術に合ったルートを選ぶ。それが、山を楽しむための基本です。2026年の夏山シーズンが、安全で充実したものになることを願っています。

よくある質問(FAQ)
山開き前に登山することはできますか?
山によっては可能ですが、推奨されません。山開き前は登山道の整備が完了しておらず、残雪や崩落箇所が残っている場合があります。山小屋も営業していないため、緊急時のサポートを受けにくくなります。
富士山の2026年の山開きはいつですか?
例年、吉田ルート(山梨側)は7月1日、静岡側の3ルートは7月10日ごろに開山します。2026年の正式な日程は、山梨県・静岡県の公式サイトで発表されます。
山開きの日程はどこで確認できますか?
各山の管理団体、地元自治体の公式ウェブサイト、または「ヤマレコ」「YAMAP」などの登山情報プラットフォームで確認できます。直前に変更される場合もあるため、出発前に再確認することをおすすめします。
登山届はどこで提出できますか?
登山届は、各登山口の登山ポストへの投函、または「コンパス(山と溪谷社)」などのオンラインサービスを通じて提出できます。家族や友人にも登山計画を共有しておくことが重要です。
初心者でも夏山デビューできる山はありますか?
はい。尾瀬や大山、八ヶ岳の入門ルートなどは、初心者でも比較的安全に楽しめます。いきなり富士山や北アルプスを目指すのではなく、まず低山でのハイキングを経験することをおすすめします。
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